続・バーへいこう Vol.41 BAR 夢幻  松永無限さん

登場カクテル「ジンパリ・トニック」「テキーラ・サイドカー」

登場人物

【味香】広告代理店の営業だったが、バー好きが高じて酒場専門誌の編集に転職。以前に増して、いろいろなバーを巡るように。

 

味香)こんばんは。

松永無限さん(以下、松永)こんばんは。こちらへどうぞ。

客A)これ、いいですね。気に入りました。

松永)アルコールがやや強い割りには、さっぱりしていて飲みやすいと思います。

客A)ジン・トニックにカンパリを入れただけでしょう。

松永)はい、その名も「ジンパリ・トニック」です。<味香の前に来る>

味香)あの……いま聞こえてきて気になったんですけど、「ジンパリ・トニック」を飲んでみたいです。

松永)ジンとカンパリが40mlずつ入っていて、アルコール度数が高めですが宜しいですか?

味香)40mlずつ⁉ ジン・トニックにビターズを垂らす感覚とは違いますね。でも、それをください。

松永)かしこまりました。

―松永さんがカクテルメイキング―

味香)あ、意外と口当たりがいい。

松永)ちょっと強くてさっぱりとしたロングカクテルをとご注文頂いたときや、いつもジン・トニックを召し上がっているお客さまに変わり種としてお出ししています。

味香)ロングカクテルでさっぱり強め、って難しいですよね。

松永)カンパリが苦手な方にも好評で、これを入り口にネグローニなどをお勧めしています。

味香)これを飲めば、カンパリも好きになりそう。40mlも入ってるし。

松永)それぞれ30mlでも大丈夫です。僕のカクテルは強めなので。

味香)きっと、バーテンダーさんがお酒を結構飲まれるんでしょうね。

松永)バーテンダーを始める前は、かなり飲んでいました。その頃、あるバーでジン・トニックを飲みながら「もう少し強くできますか」とマスターに言ったら「何か足してみたら」と。それで、好きなカンパリを入れて頂いたのがきっかけです。そういえば、自分で初めて考えたカクテルかもしれません。

味香)どちらのバーかお聞きしてもいいですか?

松永)埼玉県・越谷のバーで、現在は会員制になっています。小学校の同級生と会うことになってたまたま入ったのですが、その後通っていたら働くことになって。最初に勤めたバーが、そのお店でした。

味香)バーに勤務される前は?

松永)自衛官をしていました。御殿場の自衛隊にいた時は、沼津のバー「VICTORY」と「TOM’S BAR」に毎週末通っていましたね。電車で移動する40分くらいの間に上田和男さん(※)の『カクテル手帳』を読みながら、その日何を飲もうか決めたりして。門限があって、終電も早かったので開店前に到着するように行っていました。

客A)無限さん、さっきのジンを使ったショートカクテルを。

松永)ボビーズジンですね。ドライ・ベルモットとライム・ジュースを使った「ブロンクス・テラス」にしましょうか。

味香)私も何かショートカクテルをお願いします。

松永)普段はどのようなものを召し上がっていますか?

味香)ギムレットやマンハッタン、サイドカーをよく飲みます。

松永)すべてテキーラベースでお作りできますが、宜しければ試してみます?

味香)じゃあ、サイドカーをテキーラベースで。あと、ビーフジャーキーをください。

―松永さんがカクテルメイキング―

松永)テキーラが得意ではないという方が多いので、その印象を変えたくてスタンダードカクテルのベースをテキーラに変えてお作りしています。僕自身、前はテキーラに苦手意識を持っていたのですが、群馬県・高崎のバーでテキーラを飲んでからイメージがガラリと変わったこともあって。<ビーフジャーキーを差し出す>

味香)爽やかで飲みやすいです。ところで、店名はご自身のお名前だったんですね。

松永)これは偶然で、僕は限りが無いと書く「無限」です。越谷のバーにいた頃、常連さんから「神楽坂に『夢幻』というバーがあるよ」と教えて頂いて来てみたら、田淵さんという方がカウンターに立っていました。名刺を交換すると田淵さんの名前が「無」、僕が「無限」。名前に「無」が付く人に会うのがお互い初めてで、それで仲良くさせて頂くようになって。いまは近くにある「Bar Sylvius」を経営されていますが、独立の際に「後任どう?」とご連絡を頂きました。

味香)そうでしたか。でも、きっとそれも縁でしょうね。

客B)すみません、パロマをもう1杯頂けますか?

松永)気に入ってくださったんですね。良かったです。

客B)テキーラがこんなに飲みやすいなんて意外でした。スタンディングだし、本当は1杯で帰ろうと思ったけど居心地が良くて。

松永)ありがとうございます。1杯でも2杯でも、気軽にいらしてくださいね。

味香)(私もまた、ふら~っと立ち寄ろうっと。)

 

※ 上田和男さん
1997年、銀座のバー「テンダー」を開店。ハードシェイクを提唱した名バーテンダーとして知られている。『カクテル手帳』は2010年に東京書籍から出版された。

 

BAR 夢幻          松永無限さん
東京都新宿区神楽坂3-2-56
03-3267-2777
営業時間、定休日はSNSなどでご確認ください。
チャージ、サービス料なし
席数 スタンディング
カクテル、ジン、ウイスキー 各700円~(税込)

本日のお会計
ジンパリ・トニック 1,000円
テキーラ・サイドカー 1,500円
ビーフジャーキー 700円
計 3,200円
※合計は税込価格です

 

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