Vol.37 The Society 南木浩史さん

登場カクテル「ラビット・ホール」「エンシェント・マンハッタン」

登場人物【味香】バー初心者の20代。好奇心が人一倍強く、次々にバーの扉を開けていく。お酒は強いほう。

味香)ここでいいのかな……?

<エレベーターを降りて、吹き抜けになったラウンジを通り抜ける>

南木浩史さん(以下、南木)こんばんは。

味香)こんばんは。「ソサエティ」というバーはこちらですか?

南木)はい。どうぞお掛けください。

味香)(メニューを見ながら)ジントニックが5種類あるんですね。

南木)その隣にあるのが春夏秋冬をイメージしたシーズンカクテル、次のページがナイト&デイカクテルです。早い時間帯と遅い時間帯、それぞれに合うオリジナルカクテルを考えました。

味香)「サクラ ジントニック」「花見酒」も気になるけど、ナイト&デイもいいな。

南木)この中ですと、女性には「ラビット・ホール」をよくご注文頂きますね。ピーターラビットの世界をモチーフに創作したカクテルです。今度ハリウッドで実写映画化されるそうですよ。

味香)ピーターラビット! 飲んでみたいです。それと、何かお勧めのフードメニューはありますか?

南木)シェフの気まぐれメニューで、今日は豚肉とハーブのテリーヌと、自家製ハムの盛り合わせがございます。

味香)お願いします。

<南木さんがカクテルメイキング。ジン、エルダーフラワー・リキュール、ホームメイド マリーゴールド&カモミール・シロップ、レモン・ジュース、人参ジュースをシェイクして、氷を入れたタンブラーに注ぐ。ディルを飾る>

味香)うわぁ~、かわいい!

南木)どなたかが頼まれると、連鎖反応が起きるくらい好評です。

味香)ということは、このウサギのセットをいくつかご用意されているとか?

南木)買うときにちょっと恥ずかしかったです。

味香)あはははっ。

南木)でも、今後もくまのプーさんなど世界中の人に愛されている童話をモチーフにカクテルを創作するつもりです。

味香)プーさんもかわいいでしょうね。ところで、セラーに入っているのはワインですか?

南木)ウイスキーです。そちらの白い紙がウイスキーのメニューになります。

味香)「浜辺で漂着物を拾って歩く女性のウイスキー」「ラクダのサドルバックに入ったサーフンターフ」とか、面白い表現。

南木)ソサエティのウイスキーは、それぞれ詩的な表現のタイトルを持っています。ボトルに書かれた数字は蒸留所のコードナンバーで、小数点の前が蒸留所ナンバー、後が樽を表しています。

味香)すべてこのバーのオリジナルウイスキーですか?

南木)ザ・スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティという会員組織がスコットランドのエディンバラにあって、此処は日本初のソサエティ公認バーです。ウイスキーは蒸留所がリリースするディスティラリー(オフィシャル)ボトルのほかに、ウイスキーを樽で仕入れて商品化するインディペンデント・ボトラーによるボトラーズ・ブランドがありまして、ソサエティは世界最大級で最古のボトラーズ・クラブです。一般的にはボトルに蒸留所の名前が表記されていますが、ソサエティのボトルにはありません。蒸溜所の名前にとらわれずにウイスキーを愉しんで頂きたい、という思いが込められています。……お食事のご用意ができました。

味香)次はナイトカクテルを飲んでみます。お酒のベース別じゃなくて、こういったメニュー構成もいいですね。

南木)最初のページはご覧になりました?

味香)「JAPANESE SOUL “WABI/SABI & ICE BALL”」とありますね。

南木)当店は海外からのお客さまが多いので、日本のバー文化においていかに氷が重要かを書いています。10年近く前ですが、僕の師匠がロンドンのバーショウに招待されて丸氷をつくるパフォーマンスを行いました。海外のバーテンダーにとって、丸氷は驚きの技術だったようです。コンビニで板氷やロックアイスが手に入ったり、あちこちに氷屋さんが存在する国はほかにありません。

味香)ウイスキーのロックでも、カクテルを作るのにも氷は大事ですよね。あまり考えたことがなかったです。じゃあ、「エンシェント・マンハッタン」をください。

南木)かしこまりました。

<南木さんがカクテルメイキング。バーボン・ウイスキー、スイート・ベルモット、アボッツ・ビターズ、マラスキーノ・チェリー・シロップをスニフターグラスに入れて、スワリングする。ミキシング・グラスに移してステアし、カクテル・グラスに注ぐ。マラスキーノ・チェリーを飾り、オレンジ・ゼストに火をつけて油分を飛ばす>

味香)最後に火をつけたのは何ですか?

南木)通常のゼスト(ピール)はそのまま皮の油分を飛ばしますが、これは焼いた香ばしいフレーバーをつけるために火をつけて飛ばしました。

味香)そんな方法があるんだ……。ミキシング・グラスも素敵。

南木)同い年の江戸切子職人がいまして、笹の葉の形に削ってもらいました。注ぎ口の反対側に描かれているのは茶室へ入るときのにじり口で、良いものが入りますよというメッセージです。2人で話しながらデザインを決めて、これは夏をイメージしました。いつか春夏秋冬でシリーズ化したいね、なんて話しています。

味香)夢は膨らみますね~。あれっ、カウンターが光りだした。

南木)外が暗くなり始めたので、気づかれたのかもしれません。

味香)これは大理石ですか?

南木)はい、オニキスです。徐々にカウンターの光が強調されて、雰囲気も変わりますよ。

味香)夜景も綺麗でしょうね。ナイトカクテルの「アフターディナー ブラックルシアン」とか「プロヒビション マンハッタン」も飲んでみたいです。あとプーさんも!

The Society        南木浩史さん
東京都港区東新橋1-7-1 汐留メディアタワー25F(パークホテル東京内)
03-6252-1111(代表)
17:00~23:00
無休
席数 18
カクテル 1,600円~、ウイスキー 1,500円~(税・サ込)

本日のお会計
ラビット・ホール 1,800円
エンシェント・マンハッタン 1,800円
本日のお肉料理(豚肉とハーブのテリーヌと自家製ハムの盛り合わせ) 1,500円
計 5,100円
※合計は税込価格です

 

 

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