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続・バーへいこう Vol.1 Bar Cocktail Book Shinjuku  岡村朗さん

登場カクテル「ジン・トニック」「東京日和」

登場人物

【味香】以前は広告代理店の営業だったが、バー好きが高じて酒場専門誌の編集に転職。以前に増して、いろいろなバーを巡るように。

 

岡村朗さん(以下、岡村)いらっしゃいませ。

味香)こんばんは。ジン・トニックをください。

岡村)ジンのご指定はございませんか?

味香)お任せします。

味香)ビーフィーターがベースなんですね。

岡村朗さん(以下、岡村)そうですね。ご希望によってはタンカレーやボンベイサファイアでお作りしたり、最近流行りのクラフトジンをベースにすることもあります。いま、お勧めしているのが「エンプレス1908 ジン」で、柑橘類を搾ったり、トニックウォーターで割ると色が変わります。<ボトルを差し出す>

味香)綺麗な色ですね。青? 紫?

岡村)インディゴブルーだそうです。カナダの「ヴィクトリア蒸溜所」と、ヴィクトリア州にある老舗ホテル「ザ・フェアモント・エンプレスホテル」のバー「Q at the Empress」が共同開発したジンで、1908はホテルの創業年を表しています。バタフライピーの花からこの色が抽出されていて、色は濃いですが着色していません。

客A)聞いてたら、飲んでみたくなっちゃった。そのジン・トニック、頂けますか?

岡村)かしこまりました。<ジン・トニックを作り始める>

客A)わぁ~っ、薄紫のようなピンク色のような……。色が変わりましたね!

岡村)名付けて「マジカル ジン・トニック」です。

味香)ほかにもたくさんカクテルを創作されていますよね。どんなことからインスピレーションを得るんですか?

岡村)例えばコンビニのジュースコーナーを見て「こんな組み合わせがあるんだ」とか、スーパーで焼き芋が売っていれば「食べると美味しいけど、カクテルにしたらどうだろう」など考えます。常にヒントは転がっていて、ふとしたことにワクワクしたり疑問に思うことが大切かなと。そうしてストックを持っていると、コンペなどで題材が与えられたときにそれとうまく合致して、レシピがすぐに思い浮ぶことがあります。ただ、独りよがりにならないよう、相談しますけどね。

味香)どなたに?

岡村)妻によく相談します。はっきり意見を言ってくれるので、助かりますね。

味香)これまでコンペに出された作品で、何か一杯お願いしたいです。あと、ビーフジャーキーもください。

岡村)HBA東京支部主催の「東京都知事杯」でグランプリを頂いた「東京日和」です。自分の店をオープンしてからはコンペに出場していなかったのですが、お客さまからの「コンペで活躍する姿が見たい」という声が増えて挑戦しました。

味香)ひとりでお店を切り盛りしていると、練習する時間がなかなか取れませんよね。それでグランプリって凄いなぁ。

岡村)審査員によるものではなく、会場にいらしたお客さまの投票で創作カクテルの順位が決まるコンペで。勝ち抜いた上位5名がダイキリとマティーニを2杯ずつ、2分半で作る競技をします。その練習に取り掛かったら最初は4分かかってしまって、大会が久しぶりとはいえ落ち込みましたね。それからは、毎日猛練習しました。

味香)ほかにも印象に残っている作品はありますか?

岡村)「HBAジュニアカクテルコンペティション」の「プレシャス スマイル」ですね。自分を変えることができたコンペです。実は25歳のときに「国分ヤングバーメンズ カクテルコンペティション」で初めて優勝してから、自分は凄いんだと思い込んでしまっていて。取材などのオファーが舞い込んで、最初は「まだまだこれからです」なんて言っていたのに、周りから凄いと言われてついその気に。ところが、コンペ開催の2週間前にインフルエンザで入院して「もしかしたら出場できないかも」と思ったとき、自分がコンペに出られるのも入院していられるのも、支えてくれる人がいるからだと改めて気づきました。なんとか2日前に退院したらスタッフたちがメッセージカードをくれて、店長からは「初心、謙虚、自信を忘れずに持っていけ」と。

味香)初心、謙虚、自信かぁ……。

岡村)感謝の気持ちを取り戻して大会に臨んだら、グランプリに選んで頂いて。それから有難いことに2回続けて優勝できました。<ビーフジャーキーを差し出す>

味香)しっとりしてて美味しい~。

岡村)八王子の「ブラウエンベルグ」というお店から仕入れています。僕の妻が八王子で同じ名前のバーを営業していて、そちらのお客さまから教えていただきました。

味香)えっ、奥様もバーテンダーさん?

岡村)まだ子どもが小さいので、営業日は限られていますけどね。

客A)この前、お邪魔しましたよ。

岡村)ありがとうございます。

味香)同じ店名かぁ。私も近いうちに行ってみます!

Bar Cocktail Book Shinjuku          岡村朗さん
東京都新宿区西新宿7-5-5 プラザ西新宿 2F
03-5332-3075
18:00~02:00(金~04:00、祝~00:00)
日曜、月曜休み
チャージ 500円、サービス料なし
席数 13
カクテル 1,100円~(ノンアルコール800円~)、ウイスキー 800円~(税込)

 

本日のお会計
ジン・トニック 1,100円
東京日和 1,300円
特選和牛ジャーキー 1,000円
チャージ 500円
計 3,900円

※合計は税込価格です

 

 

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