5月20日(土)、東京八重洲ホールにおいて第7回 定期セミナー「アブサンの歴史及び製造方法の実演」を開催致しました。その独特な味わいで人々を魅了してきたアブサンは、長年の禁制を経て復活し、いま再び脚光を浴びています。
新宿のバー「ベンフィディック」「B&F」を営む鹿山博康さんを講師にお招きし、スイスやフランスなど現地での体験談から、ご実家で栽培するハーブの話まで2時間半にわたり語って頂きました。
①アブサンの歴史について
アブサンは、ニガヨモギ、アニス、フェンネルのボタニカルが三位一体となった薬草酒。その語源から用途、現代的アブサンの始まり、一般化及び流行のきっかけ、全盛期、禁制時代についての解説
②現代アブサンの現地情報
フランスアブサンの聖地ポンタルリエからスイス トラヴェール地方の現地レポート
③ボタニカルブームからの観点による今後のアブサンの流れの考察
④アブサンを使った古典カクテル
後半は、テイスティングタイム。フランスの「ペルノ」、スイスの「アルテミジア」、ブルガリアの「ハプスブルグ」、そしてアブサンを使うクラシック・カクテル「サゼラック」と、それぞれ個性の違いが愉しめるラインナップでした。
鹿山さんお勧めの飲み方は、アブサン1に対して、水3の割合。加水すると、ぐっと飲みやすくなります。
<スタイルの分類>
「スタンダード・スタイル」黄緑色~黄色で、55度~70度。加水すると濁る。→ペルノ
「スイス・スタイル」蒸留後にハーブを入れて色づけしないので無色透明。加水するとかなり濁る。→アルテミジア
「ボヘミアン・スタイル」人工的な着色料を使用しているので、色が鮮やか。赤や青色のものもある。ニガヨモギの香りが強く、ドライ。加水してもさほど濁らない。→ハプスブルグ
アブサンといえば「緑の妖精」の異名をとるように緑色のイメージですが、透明や青、赤もあるんですね。講義が終わる頃、会場はすっかり爽やかなハーブの香りに包まれていました。