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日本ジン協会主催「ジン-ポジウム・ジャパン」レポート

12月3日(日)、東京・東陽町のホテルイースト21において、「ジン-ポジウム・ジャパン」が開催されました。第1部は日本ジン協会代表・岸久氏による活動報告から始まり、スペシャルゲストと国内4社によるジンセミナー&テイスティングが行われました。

スペシャルゲストの1人目、アンガス・ウィンチェスター氏のセミナーでは、ジン4種をテイスティング。「オールド・ダフ・ジュネヴァ」「タンカレー」「ザ・ボタニスト」「ノレッツ・ジン」と、それぞれ個性の異なるジンで、アンガス氏がベンチマークにしているのがタンカレー。4つのみのボタニカルで構成され、柑橘系が入っていないのにシトラスフレーバーがあります。

 

「オールド・ダフ・ジュネヴァ」はやや若いウイスキー(ニューポット)のようなフレーバーがあり、メントールやペッパーを感じます。「ザ・ボタニスト」はスコットランド・アイラ島のブルイックラディ蒸溜所が造るなめらかなジン、「ノレッツ・ジン」はジュニパーをあまり感じられないことから賛否両論があり、“未来のジン”“未来のウォッカ”とも言われているようです。

続いて、デズモンド・ペイン氏による「ビーフィーター24」のセミナーです。ビーフィーターは1820年、ジェームズ・バローによって誕生しました。彼の肖像画がオフィスの壁にかけてあって、レシピをきちんと守っているか見張られているとか⁉

40年以上ジンの製造に携わってきたデズモンド氏ですが、10年ほど前に新しいジンを自身のレシピでつくることに。ビーフィーターのベースは崩さずに、中国の緑茶・日本の煎茶・グレープフルーツピールを加えたビーフィーター24が生まれました。

この「24」はボタニカルが24種類というわけではなく、24時間浸漬のことだと強調されていました。

 

そして、国産のジンセミナー。

 

①サントリースピリッツ株式会社「ROKU」/商品開発研究部 シニアスペシャリスト 鳥井和之氏

1936年に「ヘルメスジン」を発売、長年の知見と想いが詰まった新商品「ROKU」の紹介です。6つの和素材(桜・桜葉・煎茶・玉露・山椒・柚子)を中心に、14種類の素材を使っています。蒸留器は4種類(銅釜・常圧蒸溜、ステンレス釜・減圧蒸溜)で、素材によって蒸溜方法を変えているようです。

 

②京都蒸溜所「季の美 京都ドライジン」/テクニカルアドバイザー 大西正巳氏

日本初のクラフトジン専門蒸溜所です。「日本人が好むキレイなジンをつくりたい」と大西さん。ライススピリッツをベースに、11種類のボタニカル(ジュニパーベリー、オリス、檜、柚子、レモン、玉露、生姜、山椒、木の芽、紫蘇、笹)を6つのグループに分けて浸漬抽出し、蒸溜後に混和する独自の製法をとっています。

 

③本坊酒造株式会社「Japanese GIN 和美人」/経営企画本部係長 田中智彦氏

標高500mの山に囲まれた鹿児島の盆地にある津貫蒸溜所で「和美人」は造られています。ライススピリッツをベースに、鹿児島のボタニカル(紫蘇、けせん、金柑、レモン、茶葉、柚子、生姜、辺塚橙、月桃)を3つに分けて蒸溜、ブレンド。「麹文化を発信していきたい」と田中さん。

 

④ニッカウヰスキー株式会社「ニッカ カフェジン」/ブレンダー室長 チーフブレンダー 佐久間正氏

竹鶴政孝から受け継いだカフェスチル、ウイスキーのブレンド技術がその開発を支えました。11種類のボタニカルを3つ(①山椒スピリッツ/山椒②和柑橘スピリッツ/柚子、かぼす、甘夏、シークワーサー、りんご③カフェジン蒸溜液/ジュニパーベリー、コリアンダー、アンジェリカ、オレンジピール、レモンピール)に分けて浸漬・蒸溜しています。

第2部は、ジンブース試飲会&パーティ。上の写真は始まったばかりのものですが、続々と人が押し寄せすぐに会場はいっぱいになりました。メーカーやインポーターによる試飲ブースのほかに、NBAのバーテンダーさんたちによるカクテルコーナーも。

 

第1部+第2部通しのチケットは前売りで完売、当日は600名が来場されました。今後も続くと思われるジン人気、目が離せないですね!

 

 

 

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