2018年3月7日FOODEXにてスコットランド国際開発庁主催の「クラフトジンセミナー」が行われました。そのレポートをお届けします。
スコットランドのジンマーケット
まずは食品飲料担当の吉田氏より、英国・スコットランドのジンマーケットについての説明がありました。
英国では2010年から2014年までの間で73ものジンの蒸溜所がオープンしています。英国内で販売されるジンの総額は、ここ2年で7億1900万ポンドから8億6900万ポンドへ21%上昇しています。輸出も年間およそ1億4000万本で、特にプレミアムジンの輸出は過去5年で37%増加し、17.6億ポンドの経済効果をもたらしています。
このように数多くのジンが英国で造られていますが、その70%はスコットランドで生産されています。スコットランドジン蒸溜所マップをみると、現在50以上の蒸溜所があることがわかります。
スコットランドクラフトジン事情2018
次に、ジン専門店「グローバルジンギャラリー」の高山氏による『スコットランドクラフトジン事情2018』講演がありました。
クラフトジンの現在の流れは、クラフトビールブームから引き続き起こっています。ここではいくつかのメーカーについて取り上げます。各メーカー、ジントニックに添えるガーニッシュにはこだわりがあります。ジンに使ったボタニカルを使用するメーカーやよりバランスよくなるようにと選んでいるメーカーもあります。
①CAORUNN GIN スコットランド北部
- ゲール語で「ローンベリー」の意で、これをボタニカルに使用している
- モルトウイスキーのバルメナック蒸溜所で造られている
- ガーニッシュとしてリンゴ
②ROCK ROSE GIN スコットランド本島最北端
- 夫婦二人で造っている
- ロディオラ・ロゼアをボタニカルに使用することで、黄色を呈する
- ガーニッシュとしてローズマリー
③ISLE OF HARRIS GIN ハリス島
- ソーシャル・ディスティラリー 村おこし的蒸溜所
- 2021~22年にウイスキー蒸溜所にボタニカルとしてシュガーケルプ(昆布)を使用
- ガーニッシュとしてピンクグレープフルーツ
④LONEWOLF GIN スコットランド東部
- 2017年にクラフトビールメーカー、ブリュードッグ社が開業
- ウイスキー蒸溜所でもある
- ガーニッシュとしてグレ-プフルーツ・ピール
スコットランドでは、ジンの飲み方・楽しみ方が変わってきています。ジン専門のダイニングが流行っており、料理とジンのペアリングも行われています。ジントニックについて、ジンやトニックだけでなく、ガーニッシュも選べる「ジン・フライト」なども提案されています。
メーカープレゼン
最後に来日された3つのメーカーのプレゼンが行われました
①McQUEEN SUPER PREMIUM DRY GIN スコットランド中部
デール・マックィーン氏
- 2016年創業
- 浸漬式とバスケット式の両方で造っている
- バニラ・ローズなど様々なフレーバーを効かせたジンをリリース
②KIRKJUVAGR ORKNEY GIN オークニー島
スティーブン・ケンプ氏
- 2016年に夫婦で創業
- オーケディアンのプライド
- ベーススピリッツ原料として大麦古代品種BEREを使用
- オークニーのボタニカル 地元植物学者・大学と協力して入手
③PICKERING’S GIN エディンバラ
マーク・ピッカリング氏
- エディンバラにある獣医学校を改装
- 1947年インドから入手したボンベイジンのオリジナルレシピをベースに作成
- 浸漬式 ウォータージャケットにて加熱