KAVALANブランドセミナーレポート

2018年6月13日、リード・オフ・ジャパン株式会社、株式会社リカーマウンテン主催にて、台湾のシングルモルトウイスキー『KAVALAN』のブランドセミナーが行われました。講師は、マスターブレンダーであり、ブランドアンバサダーとして世界中で活動されているイアン・チャン氏でした。

KAVALAN蒸溜所は、2002年にプロジェクトがスタート。2005年4月に建築開始、2005年12月に9か月という短い工期での完成となりました。2006年1月から3月の45日間に試運転、3月11日15時半に最初のニューメイクが流れ出ました。台湾での最初のニューメイクです。

蒸溜所の名前の由来は、この地の古い地名から。台湾北部ギラン県、太平洋に面した広い平地の最も内陸に蒸溜所はあります。冬に雪山になり、水源はこの雪解け水を使用しています。

工程ですが、麦芽の粉砕から行い、粒度管理をしています。仕込糖化は、3番麦汁までを取り、それぞれ加えるお湯の温度は65、85、90℃です。発酵は、気温が高いので発酵温度をコントロールできるステンレス製の発酵槽で行います。蒸溜は、もろみを10%量に濃縮。熟成は一番重要な工程で、出来上がるウイスキーの味わいの60~70%はここで決まります。そして高品質の樽にて熟成を行います。台湾では法律的に2年の熟成が義務付けられていますが、KAVALANでは4年以上の熟成を課しています。

KAVALANの熟成庫は5階建てで、夏は5階42℃・1階27℃になります。高い室温ですが、窓は閉めて熱を閉じ込めるようしています。これによりシェリー樽などしっかりとした色がもたらされ、着色の必要の無い色調になるとか。冬はシベリアからの寒風が吹き、気温10℃まで下がります。熟成庫の窓を開けると、室温は5階32℃・1階22℃になり、これによりしっかりとしたフレーバーがもたらされます。これを4~5年繰り返して、製品に。大きな樽(バット500リットル)は飲み頃になるまで時間がかかるため熟成庫の5階などに、小さい樽(バレル200リットル)は短い時間で飲み頃になるので1階などに設置しています。同じタイミングで飲み頃になるよう管理されているんですね。エンジェルズ・シェアも大変多く、短い期間でも熟成がしっかりと進みます。4~8年の熟成で、スコットランドの20~25年と同じ効果があるといわれています。最近はこのエンジェルズ・シェアを少なくする工夫を始めています。

3年前から3倍のキャパシティにするために、スチル20基を一括で導入し、年間生産量は900万リットルになっています。これはスコットランドのトップクラスの生産量と遜色ない量です。

KAVALANの素晴らしいウイスキーを造るためには、独自の気候・ミドルカット・高品質の熟成樽の3つのポイントがあります。

テイスティングは4種類行われました。

①KAVALAN Classic

  • バーボン樽、シェリー樽、レフィル樽などいくつかの原酒を使用
  • 華やかなアロマ(洋ナシ・マンゴー・ハチミツ・青リンゴ・オーキッド)
  • クリーミーでオイリーなフレーバー
  • 国内外で一番売れている商品
  • 瓶の形状は当時世界一高いビルだった「台湾101」をモチーフに

②KAVALAN Solist ex-Bourbon

  • シングルカスク(ジム・ビームやワイルドターキーなど様々なバーボン樽)
  • バニラやココナッツ、ハチミツ、シトラスの香味

③KAVALAN Solist Olorso

  • シングルカスク
  • ドライフルーツやナッツ、チョコレート、カラメル
  • シガーとのペアリング
  • 「一番優れているシェリー樽熟成のウイスキー」との評価
  • 熟成による経時変化が大きい(フレッシュフルーティー → 重厚)

 

*シェリー・シーズニングについて

  • 10年くらい前から一般的に行われている
  • ソレラからの樽は良いものもあるが、不均一で難しい
  • 2020年には全てシーズニングの樽に移行する(今回のサンプルはソレラから)
  • 3年のシーズニング期間(2017年からスタートさせている)

 

④KAVALAN Solist Vinho Barrique

  • 甘い香り主体、ピーチ(トースティング由来)
  • 2015年アワードで世界一に
  • ワイン樽にS.T.R. プロセス(*)を加えている
  • 2010年からワイン樽を使用
  • 現在フランス、スペイン、ポルトガル、カリフォルニア、オーストラリア、甲州など様々なワインの樽を使用している
  • 5~6年熟成

 

*S.T.R.プロセス

  • Shaving(樽内側の赤を削り取る)→この部分は酸が強いので
  • Toasting(大きなヒーターでヤキを入れる)→時間や温度をコントロール
  • Recharring(内側を焦がして炭化層をつくる)→加水時のスモーキーさはこの工程からもたらされる
  • グレンモーレンジやサントリーも行っている手法

 

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